私立中高一貫校の音楽教育事情
最近、脳科学分野でピアノがお勉強に良い影響を与えると評価されているのもあってか、
習い事の中でピアノレッスンがささやかなブームになっているようです。
その火付け役になった一つが、私立中高一貫校でのピアノを中心にした音楽教育だと思います。
それに関連するお話で10年以上昔の話になりますが、
息子が中学1年の頃、こんなことを聞いてきました。
「お母さん、来週ピアノの試験があるんだけど、教えてくれない?」
「ピアノの試験?」
「そう、音楽のテスト。バッハのメヌエット。」
「えーっ、ピアノの試験があるの?」
「僕、弾いた事あったっけ、この曲?覚えてないけど。」
息子は小3まで私がピアノを教えていたので、ほんのちょっとだけピアノが弾けます。
バッハ(現在はペツォールトとされています)のメヌエットも弾きました。
でも、中学校の音楽のテストでこれはないだろうと思った私は、
「だって、この曲、ピアノ習った事ない子は弾けないわよ。」
「大丈夫。みんなピアノ、弾けるもん。僕30番目くらいかな。」
息子が通っていた学校は都内私立中高一貫男子校でした。 1クラス40人くらいです。
男子校なのに30人はピアノを弾けるそうです。
つまり息子は、いくら小3までのレッスン歴とはいえ、弾ける子の中で一番下手なのです。
私は凄くびっくりしました。
「ピアノだけじゃなくバイオリンも7,8人は弾けると思うよ。」と息子。
「管弦楽団あるじゃん。○○先輩も、○○君もバイオリンやってるよ」
そういえば吹奏楽部ではなく、管弦楽団が部活でありました。
バイオリンだけでも30人、弦楽器が全部で50人、管楽器が30人と
管より弦の方が多かったです(写真では人波で見えませんが)↓
その後の話ですが、お友達が管弦楽部だったので、定期演奏会、よく聴きに行きました。
これ、中高生?と思う上手さでした。
息子の学校では、中学1・2年は音楽でピアノをやるのです。
1人1台電子ピアノが用意され、 コードネームもピアノで弾くことを教わり、
本格的な伴奏付けもやらされていました。
もちろん伴奏付けの試験もあり、息子は四苦八苦していました。
あとは声楽、ドイツ歌曲の試験があったと思います。
楽典の試験もあり、音程のテスト、理論、ちょっとした音大の試験みたいでした。
最後には自分で作曲をさせるのです。
息子は「お母さん~、どうしよう(T_T)」と泣きついてきました。 中学3年は、ギターでした。
これも超本格的。 お友達は音楽の試験の為に、ギターを習いに行ってたりしました。
私も息子に、「ギター、習いに行ったら?」と勧めましたが、
実際には行かなかったんですけど、それ程大変でした。
高校では1年の時だけ芸術教科があり、音楽、美術、書道、工芸から選べました。
中学で音楽の授業に苦労した息子は工芸を選択。楽で良かったようです。
因みに音楽を選んだお友達は大変だったそうです。
音楽の中でも、ピアノ、声楽、ギター、作曲と選べ、音高並みの授業だったみたいです。
特に作曲は音大並みだったらしく密度の濃い1年だったそうです。
それだけ音楽の授業をやっているので、それだけに終わらせることはなく、
この作曲のスキルを活かす場面もしっかり用意されていました。
それが運動会で、毎年応援歌を各組(8色)で作曲して、組内でコンペもしていました。
応援歌を歌う様子↓
文化祭では「陸上部のピアノ発表会」、「バスケット部のピアノ発表会」など
体育部でもピアノ発表会をやっていました。
ピアノ経験者の多くの子が、 中学受験時にピアノを弾いてリラックスしていたそうです。
ピアノ教育については、数年前に校長先生まで登場してピティナで紹介されていました。
色んな意味で面白い学校でした。
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