【中学生におススメする本】_私の独断と偏見です。
先日、『私の10冊』を挙げました。今回は以前、中学生の生徒さんとの間で
「良書を読む」お話をしたとき、私なりに中学生に薦めたい本を考え
アメブロに描いたことがありました。それを再編集してみます。
生徒さんたちと良書との出会いのきっかけになればと思います。
1.『先生のわすれられないピアノ』 矢崎節夫
ピアノの先生としては、1冊目はこれです。 月光の夏」という映画にもなりました。
上野歌子先生が45年間 心に秘めてきたピアノと特攻隊員(芸大生)のお話です。
特攻隊員が出撃前にはるばる小学校にピアノを弾きに来たのです。
それから後に起こった青い目の人形のお話とともに戦争の悲惨さが、
「ベートーヴェンのソナタ 月光の曲」と ともに伝わります。
ちなみに著者の矢崎節夫さんは、『金子みすゞ童謡集』でも有名です。
2.『しろばんば』 井上靖
作者、井上靖の少年時代を自伝的につづった物語です。
何しろ日本語の表現が綺麗です。
美しい文章は、中学生に是非読んで欲しいです。
3.『なまくら』 吉橋通夫
幕末から明治の若者たちの懸命に生きる日々を描く
時代小説短編集です。
主人公達の生き方、考え方に胸がつまり、泣きそうになり、励まされます。
今はなんて幸せな時代なんだろうと思います。
4.『雪のひとひら』 ポール・ギャリコ
「雪のひとひらは、ある冬の日に生まれ~」からはじまるファンタジーの小説です。
私の大好きな1冊。絵本のように美しい「女の一生」の物語です。
5.『青い目の人形物語Ⅰ』 シャーリー・バレントー
1の『先生のわすれられないピアノ』の中にでてくる「青い目のお人形」のお話です。
90年前にアメリカから親善大使として送られた
「青い目のお人形」の史実を元にしたフィクションです。 泣かされました。
主人公レキシーの成長物語です。
「青い目のお人形」を日本へ送ったアメリカの当時の子ども達のことが描かれています。
愛、友情、希望、様々な事が書かれていて胸を打ちます。
日本編も出版されています。
6.『四万十川 あつよしの夏』 笹山久三
第6部まである小説の1冊目です。
第1部が特に中学生にお薦めです。
四万十川の大自然が読んでいると広がってくる少年の成長物語です。
7.『ソフィーの世界』 ヨースタイン・ゴルデル
ちょっとお堅い本の紹介ですが、「哲学」を一人の女の子の目線からやさしく書いています。
「哲学」が分からない私でもミステリー仕立てになっているので、楽しく読めました。
長いお話ですが、飽きずに読み進めていく事ができます。
8.『ビルマの竪琴』 竹山道雄
映画も良かったですね。「埴生の宿」の歌が心に沁みます。
「選ぶ」という事を考えさせられる物語です。
9.『足ながおじさん』 ジーンウェブスター
世界の名作の中から女の子に良いなぁと思う一冊です。
孤児院で育ったジュデイーが月に1度、手紙を書くという条件で、大学に行くことができます。
お金を出してくれた「あしながおじさん」宛ての手紙形式の物語です。
快活な女の子の手紙がとても楽しいです。今時の子も楽しんで読めると思います。
10.『14歳の君へ』 池田晶子
考えることの大切さを考えさせてくれる本です。
同じ著者の『14歳の哲学』より読みやすいと思います。
色々迷いのある中学生に人生の指針を示してくれる1冊です。
11.『トカトントン』 太宰治
太宰治の短編です。
自覚と意志を持つことが大切だとわかります。
太宰独特のアイロニーで伝えているところが面白いです。
新潮文庫では『ヴィヨンの妻』を収録された板と思います。名作です。
青空文庫(無料)にもなっていますね。
12.『西の魔女が死んだ』 梨木 香歩
最後に読みやすい1冊を。
映画も良かったです。おばあちゃんが、カッコよくて。
主人公まいの成長物語です。「死」についても考えさせられます。
以上、です。
何か気になる本があったら、ぜひ読んでみてくださいね。
ちょっぴり、人生を豊かにしてくれるはずです。
0コメント